冷戦期の1960年代に米軍がソ連や中国との
全面核戦争を想定した最初のシナリオ
公文書によると、SIOP−62は他に
(1)「報復用」と「先制攻撃用」の
2種類の核攻撃の選択肢を用意(2)軍事拠点以外に
130以上の都市、産業基盤を 標的に設定している
共同より
当時のソ連や中国との間で3年以内に核戦争発生を
想定する内容で、ソ連圏の大都市の「体系的な破壊」を
目指し、北京、モスクワ、レニングラード/現サンクト
ペテルブルクなどへの核爆弾投下を計画。
最優先とされたのはモスクワとレニングラードで、
爆弾投下の目標地点として、モスクワの179カ所、
レニングラードの145カ所をリストアップしていた
米国の狙いは、ソ連の空軍力をそぐことにあり
「最後のとどめ」として、60メガトン広島70倍に
当たるの爆弾開発も提言していた。
cnnより
南シナ海に作られた中国のSLBM原潜用基地
全面戦争の凄まじさが伝わってきますけど
この中国攻撃プランはぜひ復活してほしいものです!
それから元記事 だぶん誤訳だと思いますが
計算が間違ってました 1メガトンは1000キロトンで
広島型の約67倍ですから60メガトンなら約4000倍です
2米国の影の首都
米国と日本では核戦争への備えがまったく違います
アイゼンハワーの時代から政府存続計画が作られました
この計画の中心となるのがコロラド山中の地下深くにある
ノーラッド/NORAD北アメリカ航空宇宙防衛司令部と
マウント・ウェザーエマージェンシーオペレーションセンター
(Mount Weather Emergency Operations Center)です
この施設は機密の塊ですが非常時には大統領一家を初め
政府機能が移転し活動できる施設が整えられているといわれます
3最大の核爆弾と最小の核弾頭
ではこれまで作られた最大の核爆弾は?と言われれば
旧ソ連の作ったツァーリボンバー/爆弾の皇帝です
テスト用は50メガトンに制限されたといわれますが
広島型の3300倍の核出力でした
デイビークロケット

逆に最小の核弾頭は米陸軍の作った
M-388 デイビークロケット用のW54核弾頭で
核出力0.02ktです
4幻の核動力兵器たち
核を動力とする兵器も忘れてはいけません
空母と潜水艦以外はほとんど成功しませんでしたが
とても味のあるデザインばかりです
クライスラー TV-8

核のシールドのために砲塔がでっかくなっちゃいました
水に浮いて進めるなど見掛けよりは優秀
コンベアの核動力爆撃機計画

WS-122A
これは直接サイクル核エンジンという
先進システムを採用しましたが実用化しませんでした
NB-36H

これは実際に核動力を搭載したB-36の改造機

乗員保護するために分厚くシールドされたコクピット
詐欺爆撃機 M-50バウンダー
一方で笑える逸話もあります これは50年代に
マッハ2級の戦略爆撃機として旧ソ連が作った機体
でしたが試作のみで終わった いわば失敗機でした
それをロシアは航空ショーや軍事パレードに平気で
登場させたために 西側はいつのまにか戦力化された
核動力爆撃機というデマに載せられてしまいました
プロパーに乗せられる危険をよく示す事例です
5インターネットも核戦争から生まれた
軍事を知らないくせに 毛嫌いする偏見の持ち主は
どこにでもいますが 今このサイトが表示されている
インターネットの原型となるARPANETは 核戦争下でも
通信網を確保する目的で米国防総省により開発されました
また基礎プロトコルであるTCP/IPも同様です
6 脅威の放射能雲防御システム
現在こそ放射能の雲というと皆 逃げ出す存在ですが
かつて米軍はこの放射能帯によって 敵ミサイルを
無力化する計画をもっていました
宇宙水爆戦という古典SFの傑作がありますが
あのメタルーナの設定をリアルでやったんです
アーガス作戦/Operation Argus

1958年にアメリカ国防脅威削減局により行われたもので
二つの核弾頭を一つは高度2000Km以下 もう一つは
高度3000Km以上で一ヶ月以内に続けて爆発させるものでした
一説には防御用放射能帯の影響で敵ミサイルの弾頭内の
プルトニウムが変質し 核爆発させない効果を狙ったとされます
まさに毒を持って毒を制すコンセプトなわけです
この計画にはXシリーズで最も謎とされるX-17が使用された
ことが判っています
タスクフォース88より3発のX-17が発射され爆発したが
実験の結果 放射能帯の持続が短く実際には1000発以上の
弾頭が必要となるために計画はポシャりました
7 次世代兵器EMPシステム
ドミニク作戦/Operation Dominique
スターフィッシュ・プライム/Starfish Prime

これは月ではなく ホノルルから見えた核爆発
これは60年代に連続して行われたドミニク作戦という
核実験の中のひとつで1.4メガトンのミサイルを中部太平洋
ジョンストン島の上空400Kmで爆発させました
これは核爆発によって強力な電磁パルス/EMPを発生させる
目的だったと考えられます
実際 ジョンストン島から1000Km離れたハワイ諸島でも
停電がおきたとされています
このEMP兵器は現在も盛んに研究が進められています
それでは 最後に冷戦真っ只中に作られた啓蒙動画
「ピカっときたら 伏せる!!」
Duck And Cover