日本で進められている新型航空機に関する記事です
JAXAが主催した第四回となる航空機電動化(ECLAIR)
コンソーシアムにリモート参加しました
実際に現場で開発に携わっている技術者登壇者に
よる発表は とても興味深い内容でした
それでこの分野には大きな二つのテーマが
あると感じました
ひとつは昨今 喧しい環境問題
特にCO2排出量の低減をどうしていくのか
ということ
そして もうひとつは電気推進の航空機を
技術的にどう製作していくのかという点です
始めのCO2排出量削減に対しては2040年度までに
実質ゼロとする「気候変動対策に関する誓約」
といった目標が掲げられています
これはそう簡単なことではありませんが
やはり使用燃料の変更が効果が大きいと
されています
特に水素を用いた水素燃料電池システムや
バイオ系の燃料が CO2低減の大きな部分を
占めていることが示されています
もう一つは航空機側の改善です
更なる省エネの機体が求められており
電動化もその流れを受けて開発が進められています
それで まず車でもそうでしたが従来の
ターボファンと組み合わせたハイブリット型の
パーシャルターボエレクトリックという
のが開発中です
タービンエンジン内に発電機が組み込まれています
こうしておけばタービン軸にアシストトルクを
与えられる上に 発生した電気を取り出して
別の電動ファンを駆動させたりもできます
また今後は油圧系統などを廃して全てを
電子的に制御する統合電気システムに移行
していくために航空機内での電力需要は
大きくなり それにも対応しやすくなります
今回は既存機への電動適応の内容でしたが
更に将来的には新しいファイバー素材や
ブレンデットウィングボディスタイルの
新型の機体が出来れば電動推進機は航空界の
大きなジャンルを占める可能性があります
続いてはJAXAとボーイングが新型航空機で
共同研究をする内容です
これは日本の航空界にとっても なかなか凄い事です
このプロジェクトの良いのは次の二点があげられます
まず超音速旅客機というのは 21Cの乗り物として
相応しい航空機です
コンコルドの時代から言われていた衝撃波や
付随する騒音の問題に対して 今回の研究は
大いに価値あるものと思います
またこの高速機の騒音低減は大きな社会貢献を
する可能性があります
かつてボーイングが開発していたSST
ECOは決して温暖化などだけではありません
騒音などの住環境問題も大きいはずです
例えば沖縄の基地問題にみられるように大きな
ジェットによる爆音は地域住民の反感を
ますます強める一因となります
こうした騒音低減技術が軍用機にも応用されれば
少しは理解が得られる機会も増えるでしょう
もう一つは 今回の計画がXシリーズとの共同
作業だという点です
アメリカの軍事力が世界最強なのはなんといっても
強大な航空戦力 航空機開発能力に拠るところが
大です
(制空権を奪われたらそれで終わりですから)
その航空技術を支えてきたのがNASAと米空軍の
主導の元に多くのメーカーが参加したXシリーズです
戦後に足枷を付けられていた日本にとって
綺羅星の如く輝く 数多くの実験機群は
そのまま両国の航空技術の差となって
現れていました
それが今回 X-59 QueSSTの開発に一役買うと
いうことは日本もXシリーズ開発に加わったと
いっても良いのかなぁという感慨です
この計画とは異なりますがF-3ステルス戦闘機の
開発も控えています
宇宙開発の分野では確固たる地位を築きつつありますが
航空機分野でも 日本製が数多く空を舞うことを
願っています